僕は毎朝、布団からぼんやりと起きだして、顔を洗い、それから、彼女の部屋に通った。

たいてい彼女はペタンと床に座り、その黒い瞳に青い空を映していた。
僕は彼女に「おはよう」と声をかける。
彼女はちらりとこちらを見やり、また窓に顔を向ける。
その繰り返しだった。

彼女は僕の部屋にきてから、一言も言葉を発していなかった。
僕は何度も何度も彼女に唄を歌ってくれるよう頼んだ。時には優しく、時には怒って、時には泣き落としで。
しかし、彼女はうんとはゆわなかった。

どうやら、僕の計画は間違っていたようだ。
彼女を捕らえたら、彼女の歌声は僕のものになると思っていたのに、、

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