数分後、もしくは数時間後、数日後とゆうこはないだろうと思うけど、すごく長い時間そこで唖然と座り込んでいたような気がする。

さっきまで彼女がそこにいた、今は誰もいない青い空を再び見上げたときに、今まで忘却の彼方においやられていた、知識や情報、感情が蘇ってきた。
その多大な量の洪水に襲われた僕は、大きな戸惑い、中くらい程度の嫌悪感、そして、少しの安堵感を覚えた。

その洪水が勢力を弱めてきたころ、ようやく僕は歩道に根をはりはじめたおしりを上げた。
そして、もう一度、青い空を仰いだとき、なにかものすごく大切なものをなくしたような思いに捕らわれた。
どうにかして思い出さなければならないとゆう、もう1人の自分の必死の声を受け入れ、なんとか海馬の中を手探りしてみた。

−白と黒のコントラスト−
もう1人の自分が、それだっ。もっと詳しく思い出せ。と声をかける。
−しろい、スカート、、ワンピースの裾、、くろい、、髪。長い髪−
あぁ、、ともう1人の自分が、歓声とゆうよりは、陶酔しきったような声をあげた。
その瞬間、おそらく、もう1人の自分が思い出したのであろう、光景、いや、人物が僕の頭の中に浮かびあがった。

白いワンピースを着たとゆうよりも、巻き付けたとゆう印象の女の子だ。
さらさらとゆれる、思わず顔をうずめて匂いをかぎたくなるような、長い黒い髪の女の子だ。
それとおそろいの、真っ黒な瞳の女の子だ。
肌は雪のように白い。けれど、不思議と冷たそうな感じはしない。細い腕の女の子だった。

思わず、眼を閉じて、頭の中にうかぶ彼女の姿に、とゆうか、彼女のかもし出す空気に魅了されていた僕は、今までに耳にしたことのないような、心地よい歌声を聴いた。

眼を開けた僕の中には、強い欲求があった。
もっと彼女の唄を聴きたい。

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