未知の領域
2002年8月7日夜が明ける前に家を出た
ひたすら太陽が昇るであろう方向を目指して歩く
たまに暗くて見えない何かが
スッと横を通り過ぎていく
何も選べなかった一日が
月が昇る前に家を出た
ひたすら太陽が沈むであろう方向を目指して歩く
たまに暗くて見えない何かに
名前を呼ばれたような気がする
何も始まらなかった一日が
みんなが寝静まった頃独りで家を出た
ひたすらどこも目指さずに歩く
たまに暗くて見えない闇の中に
あの子の顔が見えたような気がする
何も終わらなかった一日が
やがて陽は昇り街を照らす
今までそこにあった暗がりが悲鳴をあげて
何も選べなかった
何も選ばなかった
何も失いたくなかった
何を手に入れたいかわからなかった
何も変わらなかった一日の果てに
枯れない花が咲いた
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